
「最近疲れるな・・よし、サプリメントでも飲んでみるか」
特に最初はよくわからないので、ビタミンCなどビタミンのサプリメントから始める方も多いのではないでしょうか。
しかし、体に良さそうだからといって何でもかんでもサプリメントで摂取すればいいわけではありません。
むしろ体にとって有害になる場合もあります。

そこで今回は、ビタミンについて詳しく解説している本をご紹介します。
- 各ビタミンの体での働き
- 各ビタミンの摂取基準量
- クリニックでのビタミン製剤の使われ方
不足するとどうなるのか、過剰摂取によるリスクは何があるのか、サプリメントを試す前に知っておきましょう。
この記事では、ぼくが実際に飲んでいるサプリメント(B群・C・D ・E)の過剰摂取についてみていきたいと思います。


安田聖栄
四谷メディカルキューブ理事長、東海大学医学部客員教授。
目次
ビタミンB群
ビタミンB群はたくさん種類があるため詳細は省略しますが、糖質や脂質などの代謝に関わっています。
また、血液を作るためにはB9(葉酸)とB12が重要だし、神経を正常に保つためにはB1・B6・B12が重要です。
B5・B6・B12以外は体内に貯蔵される量が少ないのも特徴。

体にとって大切な働きをしているし、サプリメントで補いたいところ。
水溶性のため過剰な分はオシッコとして排泄されますが、注意したいのがB3・B6・B9です。
- B3・・男性350mg/女性250mg
- B6・・男性55mg/女性45mg
- B9・・1000mcg
※50歳代の基準
ぼくが飲んでいるNowFoodsB-50だとB6が結構ギリギリラインです。
●ビタミンB3(ナイアシン)
ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称であるビタミンB3。
過剰な分は肝臓で代謝されてオシッコとして排泄されるそうなので心配なさそうですが、どうやらニコチン酸の過剰摂取には注意した方が良さそうです。
ニコチン酸の過剰摂取で生じる副作用として、顔や皮膚の赤み・蕁麻疹・消化器症状などがあります。
ニコチン酸500mg/日程度は影響なく、1g/日を超えると副作用が生じる

B3に関して、NowFoodsB-50は過剰摂取の心配はなさそうです。
●ビタミンB6
ビタミンB6の推奨摂取量は1日に1.4〜1.5mg程度なので、不足の心配はなさそうです。
問題は過剰の方です。
NowFoodsB-50だとB6がちょっとギリギリなので心配なところ。
サプリメントで多量(1日必要量の100倍以上)を1年以上服用し、神経障害が生じたとの報告がある。50mg/日を超えるサプリメントの摂取は有害で、避けるのがよい。
うーん、やはりギリギリか・・
●ビタミンB9(葉酸)の過剰
妊娠中のサプリメントとして有名なビタミンB9。
上限が1000mcgなので、過剰摂取しなければ有害にはならなさそうです。
ただ、B9の働きを阻害することで効果が出る薬(リウマチの薬など)もありますので、薬が処方されている人は自己判断でサプリメントを飲むのはやめましょう。
ビタミンC
コラーゲンを作ったり鉄の吸収を助けたりするビタミンC。
中でも有名なのが高い抗酸化作用です。
1日の推奨量をみてみると、なんとたったの100mgでした。

ぼくもそう思いましたが上限量はなく毒性も低いため、たくさん摂取しても危険な副作用はないとのこと。

ぼくも経験があるのですが、ビタミンCをとりすぎると下痢になったりお腹が痛くなったりします。
また、腎臓機能に問題がある場合は結石のリスクになるという話もあるため、やはり気軽にパカパカ飲めません。
すぐ排泄されてしまうこともあり1日にこまめに摂取したいビタミンCですが、その摂取方法は悩ましいところです。
ビタミンD
ビタミンDというのはD2とD3があり、D2はキノコ類、D3は魚に含まれています。
どちらも体内に吸収された後、腎臓で活性型ビタミンDとなって骨だとか小腸だとかに作用します。
また、日光に当たると作られるビタミンとしても有名です。

日光浴は週2回、日中の5〜30分間、腕と脚程度で十分とされる。

とはいえ、現代は過剰に日光を避ける傾向にあるし、そもそもオフィスワークで日に当たる時間が少ない場合もあります。
サプリメントで摂取したいのですがビタミンDは脂溶性のため、気になるのが上限量です。
ビタミンDの上限量は1日に100mcgとされています。
ぼくの飲んでいるNowFoodsD-3だと大丈夫そうです。
上限を超えての摂取は高カルシウム血症などの副作用があるため、やめておきましょう。
ビタミンE
ビタミンCと協調して働き、抗酸化作用のあるビタミンE。
ビタミンEも脂溶性ビタミンのため、上限量には注意したいビタミンです。
1日の上限量は男性で850mg、女性で700mgとされています。
過剰摂取による障害はみられないとされていますが、前立腺がんのリスクや骨粗鬆症のリスクを高めるとの報告もあるため、やはりパカパカ飲めません。
『診療で必ず役立つビタミンの知識』を読んでみて
サプリメントというのは、食事で補えない栄養分を摂取するためにあるものです。
ぼくはビタミンのサプリメントだとB群・C・D・Eを摂取しているのですが、果たして本当に必要なのか考えてみたいと思います。
まずはビタミンB群。
もともとはお酒をよく飲み、炭水化物や甘いものも食べていたため、それらの代謝を助ける目的で飲んでいました。
しかし現在は間欠的断食を行ない、お酒を飲む頻度も減ったためサプリメントは必要はないかと思います。
また、ビタミンDのサプリメントも出張施術で日光に当たる機会が多いため、いらない。
ビタミンCとEは、出張施術での紫外線による活性酸素が心配なため続投とします。

おわりに
「診療で役立つ」ともタイトルにある通り、お医者さん向けの本ではありますが、一般の人が読んでも十分わかる内容になっています。
むしろ一般の人に「気軽にサプリメントでビタミンを補給するなよ」と警鐘を鳴らしているようにも思える1冊です。
この記事では過剰となる量はどのくらいなのかを、ぼくが飲んでいるビタミンに限ってみてきましたが本書では各ビタミンの詳細な働き、そのビタミンを含む食べ物、ビタミン製剤の適応などが解説されています。
そもそも本書ではサプリメントは推奨されていないので、どの食べ物を食べたらいいか詳しく書かれています。
ビタミンのサプリメントを試そうと思っている人、すでに飲んでいる人、ぜひ参考になさってください。
- ビタミンをサプリメントで補給しようと思っている人
- すでにビタミンのサプリメントを飲んでいる人