

そういえば考えていなかった、親の介護について。
職業柄、高齢者と話すことも多いのに自分の親のことはしっかりと考えていませんでした。
高齢者と話すといっても、ぼくはケアマネージャーでもなければヘルパーでもありません。
訪問で鍼灸とマッサージを行う、しがない鍼灸マッサージ師です。
ということで、介護制度のことはそこまで詳しくないんです。


そう、少しは・・
ということで薄い知識をもう少し厚くしようと、こちらの本を読んでみました。
- 介護サービスにはどのようなものがあるのか
- 介護施設にはどのようなものがあるのか
- どのような人が対象になるか
- どこに相談すればいいか
- お金はどのくらいかかるのか
インターネットで調べることもできるけど介護制度は複雑なので、本書のようにわかりやすくまとめてくれると助かります。
制度の内容や相談先、お金など具体的な内容は本書を見ていただくとして、この記事では介護についての考え方をご紹介したいと思います。
安藤なつ
2012年に相方カズレーザーと「メイプル超合金」を結成。介護職に携わっていた年数はボランティアも含めると約20年。ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格を持つ。太田差惠子
1993年頃より老親介護の現場を取材。AFP(日本 FP協会認定)の資格も持ち、「介護とお金」にも詳しい。遠距離介護の情報交換の場、NPO法人パオッコを立ち上げ、2005年に法人化。現理事長。
目次
1人で抱え込まないことが大切だが・・
本書ではこんな事例が紹介されていました。
- 男性同士で相談するとサラッと流されて終わる
- そもそも男性は相談しない
- 遠距離介護の人が同居介護の人に相談して「気楽でいいね」なんて言われる
どれもイメージできます。
ぼくは基本的にすぐ相談するタイプですが、もしかするとサラッと流されちゃうかもしれません。
というか、介護制度について知らない人が多いと思うので、そうなると相談された方も流すしかないですよね。

1人で抱え込まないことは大切ですが、相談する相手は選んだほうが良さそうです。
情報は自分でとりにいく
親がある程度歳をとったタイミングで国から「あなたの親は今年で〇〇歳ですね。知っておきましょう、介護制度」なんて手紙は当然ながらきません。
そのため、自分から情報をとりにいかないと、どのような介護サービスがあるのか知ることができません。
わからないし、損しちゃう可能性もあります。
国の制度って良いものがたくさんあるのに、知られていないという致命的欠点がありますよね。
親の変化をメモする
本書のなかで「親のこと気づきメモ」というのが紹介されています。
ミニコラム欄で紹介されているのですが、これ大切だなーと思いました。
日付と気づいた変化をメモしていく。
それだけ。
状態をメモしておくと、病院へ行ったときに先生にそれを見せて報告することができますし、ケアマネージャーに相談するときも使えます。
また、自分で確認するときも「あれ、この前は〇〇はできていたのに、それもできなくなっている」なんて親の変化にも気づきやすくなるかと思います。

訪問調査のときは付き添う
要介護認定を受けるときに行われるのが、訪問調査です。
これは、その人は本当に介護が必要なのか、状況を把握するために調査員が家に来てチェックをするというもの。
よく聞く話として
- 調査員が来たとき、たまたま調子が良くて普段より動けちゃった
- できないのに「できる」と本人が言っちゃう
このようなことで要介護度が変わってしまうことがあります。
ぼくも「えー、要支援2くらいはもらえそうなのに・・」なんて事例がありました。
重要なのは普段どうなのかということ。
意外と強がってしまうことがあるので、調査員が来る日は立ち会った方が良さそうです。
介護施設への入居を考えるべき場合
「自宅で過ごしたい」
「自宅で過ごさせたい」
介護を受ける親も、介護をする家族もこう思うのは普通かと思います。
でも、ある程度のところで線引きしておかないと、共倒れになる可能性があります。
そこで本書では、以下のことが施設入居のタイミング目安として書かれています。
- 1人でトイレへ行けなくなったとき
- 火の始末に不安を感じるようになったとき
- 食事を食べない、転ぶなど生活に支障が生じたとき
- 介護をする家族の共倒れが心配になってきたとき
- 要介護度が「要介護4」になったとき
「介護をする家族の共倒れが心配になってきたとき」ともあるように、要介護度が4でなくとも共倒れが心配になってきたら施設への入居を考えた方がよさそうです。
どのタイミングで施設へ入居するか、線引きをどうするか、お金のことも含めて親がまだ元気なうちに話し合っておきたいものです。
ちなみにぼくの母は「おかしくなったらすぐ入れちゃって」と昔から言っています。
というのも母は介護職なので、そのあたり、ぼくより詳しいので頼もしいです。
お任せしっぱなしはダメ

とはいうものの、やはりそれではダメです。
親の状態がずっと今のままとは限りません。
判断が難しい状態になったり、気分が沈んでしまうことだってあるでしょう。
施設に入居したとしても、子どもは引き続き親を見守っていくことが大切です。
そんなとき、普段から医師やケアマネージャーとコミュニケーションをとっていると意見が伝えやすくなります。
頻繁でなくとも、たまには医師やケアマネージャーに親の状態を確認するようにしましょう。
『弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』を読んでみて
介護制度、いい制度なんだけど複雑・・
本書を読んでみて知らないサービスもたくさんあったし、自治体によっては「そんなことまでやってくれるのか」という内容までありました。
これからは高齢者がどんどん増えていくため、自分の親に限らず介護に関わる機会があるかもしれません。
友達に相談されることだって、ありえます。
そんなとき介護制度について知っているかいないかで、かなりできることが違ってくるのではないでしょうか。
3年ごとに介護保険の見直しがありますが、本書で介護制度の枠組みを知っておくと将来役に立つかと思います。
インターネットで調べるとなかなかわかりにくかったりしますが、本書は超おすすめです。
どうすればいいかわからなくなったとき、サッとヒントをくれるタイプの本でした。
おわりに
自分も歳をとったなあ、なんてときどき思いますが親だって一緒に歳をとっています。
当たり前なんですけどね、当たり前だからなかなか考えないのかな。
ぼくの場合は親の前に、祖母のことを母と話し合ってみようと思います。
元気なんだよなあ、ぼくのおばあちゃん。
でも歳はとりますからね、うん、話し合おう。
- そろそろ親の将来について話し合おうと思っている人
- 現在、介護をしている家族
- 訪問で鍼灸マッサージをしている人