マッサージをする上で役に立つ機能解剖学の本

筋肉の起始停止、作用について書かれた解剖学の本はたくさんあるけれど、マッサージをするセラピストとしてはなんとなく物足りない。

  • その筋肉が弱まるとどうなるの?
  • その筋肉が硬くなるとどうなるの?
  • 姿勢に対する影響は?
  • どのようにマッサージしたらいいの?

それぞれの筋肉ごとにこのような内容が解説された本があれば、とても参考になるのに・・と思って購入したのが今回ご紹介する1冊です。

この本でわかること
  • 基本的な解剖学用語
  • 基本的な生理学
  • それぞれの筋肉の起始停止、作用
  • それぞれの筋肉のマッサージ、ストレッチ方法

    この記事では大まかな内容をご紹介します。

    教科書として役立つ

    本書の前半と部位ごとの各論(上肢とか下肢とか)の冒頭には、解剖学と生理学の基礎的な概要が解説されているのですが、教科書のような情報の羅列になっています。

    リキヤ
    漢字が多くて文章が黒く見える・・

    情報の羅列、そう、残念ながら読んでいておもしろいようには書かれていません。

    ただし使えます、この本。

    マッサージの話も交えつつ解説されている

    おもしろくはありませんが、内容は教科書をギュッとまとめたような内容です。

    筋肉、骨、血管の基本的な名称や生理学がこの1冊でわかるようになっています。

    また、さすがはマッサージに特化した解剖学の本ということもあり、解剖学や生理学の解説の合間にマッサージの現場で役に立つ具体的方法もサラッと書いてあります。

    伸長筋へのマッサージの効果はほとんどありません。伸長筋の問題を解決するためには、短縮筋をリラックスさせるとともに、弱化した伸長筋を強化します。

    つまり例えば、肩が前に入るような猫背の姿勢だと小胸筋などは硬くなるけど、その反対の菱形筋とかは弱くなるからそこはマッサージよりもトレーニングが必要だよね、というお話。

    解剖学や生理学の解説の合間に、このような話もされています。

    補足本書で出てくる「短縮」とはコリ硬まった状態のこと。「伸長」とは伸ばされすぎて弱くなった状態のことを表しています。

    部位ごとの骨格筋解説が優秀

    筋肉の解剖学の本なので、その筋肉の起始停止や支配神経はもちろん書かれています。

    しかし、さすがは「マッサージのための」解剖学の本。

    マッサージをするにあたって、欲しい情報がそれぞれ書いてあります。

    各筋肉の解説項目
    • 名前の由来
    • 位置
    • 起始と停止
    • 写真(イラスト)
    • 機能と説明
    • 注目点
    • 短縮と伸長による機能低下
    • 触診とマッサージ方法
    • ストレッチ方法
    • 共働筋
    • 拮抗筋
    • 支配神経と血管供給
    リキヤ
    ズラズラーっと結構ありますね。

    この中でも機能説明と短縮・伸長による影響の解説は現場で役に立ちます。

    新たな知識を提供するというより、確認手段としてセラピストを強力にサポートしてくれます。

    イメージしやすい写真

    実際の写真の上にイラストで骨と筋肉が書かれています。

    骨格筋の解剖学の本って筋肉の写真がついているのですが、その部位に対して接写のことが多く、全体的なイメージはしにくいことがありますが、本書は結構遠めからの写真が掲載されています。

    これがイメージしやすい。

    実際の人物モデルの上にイラストなので、その辺りもマッサージをする上でイメージしながら覚えることができるかと思います。

    マッサージとストレッチ方法

    残念ながら触診とマッサージ、ストレッチ方法の解説は写真つきではありません。

    文章です。

    でも大丈夫です、理解できます。

    例えば、肩甲挙筋の場合だと

    まずは肩甲棘の内側端を見つけ、次にここから約5cm上方を患者の足のほうへ向けて下方に圧迫しながら患者に首を左右にゆっくりと回すよう促してください。

    こんな感じ。

    イメージはできるかと思います。

    リキヤ
    本書ではもうちょっと詳しく解説されていますが、長くなるのでここでは割愛。

    とはいえ「写真や動画の付録がついていたら最強だったなー」というのが本音。

    補足あんま指圧ではなくマッサージの方法なので滑剤の使用を前提としていると思いますが、参考にはなります。

    確認手段として長く使える

    現場では問診や姿勢、動作の確認をして「この人はこの辺が硬そうだなー」なんてあたりをつけ、実際に触って確認をすると思います。

    その答え合わせをする上で、本書は使えます。

    短縮するとどうなるか、どんな機能があって低下することでどのようなことが起こるのか、その筋肉の共働筋と拮抗筋には何があったか。

    このあたりを本書で確認していくと、その人の日常での体の使い方がイメージできるかと思います。

    『マッサージのための機能解剖学』を読んでみて

    ぼくは「この人は〇〇筋のあたりの硬さが目立ったけど、この辺の筋肉にはどんな働きがあったかしら」なんてわからないことがいまだにあるので、本書のお世話になることが多々あります。

    また、触診方法やマッサージも基本的な方法が紹介されているので、確認にはピッタリです。

    機能解剖学の本としては主に基本的なことが書かれているのですが、初心者だけでなくベテランの方でも読んでみると新たな発見があるかと思います。

    現場でマッサージをする上で、ベースとなるような1冊でした。

    おわりに

    あんまり何回もいうとアレですが、おもしろく書かれているわけではありません。

    分厚い解剖学や生理学の基本的な情報がギュッとまとまった、教科書です。

    リキヤ
    確認するときに非常にお世話になっている1冊です。

    特に駆け出しのリラクゼーションセラピストさんなんかは、この本を1冊持っておくことをオススメします。

    こんな人にオススメ
    • マッサージを始めようと思っている人
    • マッサージをしている人

    「マッサージのための」ですからね。