
リラクゼーションサロンでも鍼灸などの治療院でも、めまいを訴えてくる人は多いかと思います。
とはいっても、低血圧や貧血による軽い立ちくらみや呼吸の浅さにより起こる、ボーッとするような感覚を「めまい」と訴えている人が多いのではないでしょうか。

しかし、中には良性発作性頭位めまい症やメニエール病、怖いものだと脳卒中などがあります。
このようなめまいの場合、病院の受診が必要になります。
カウンセリングのときに「めまいがある」と言われたときに対処できるよう、僕らのようなセラピストもある程度はめまいについて知っておいた方がいいでしょう。
というわけで、今回はめまいの鑑別について解説された1冊をご紹介します。
- 中枢性めまいと抹消性めまいの違い
- 中枢性めまいと抹消性めまいの特徴
- 中枢性めまいと抹消性めまいの各論
なぜそのめまいが起こるのか各論で追ってみるのもいいですが、まずは第1部で解説されている中枢性めまいと抹消性めまいの違いと特徴について知っておきましょう。
この記事ではセラピストが知っておくべき部分を、抜粋してご紹介します。
城倉健
神経内科専門医、脳卒中専門医、内科認定医・指導医、めまい相談医。横浜市立脳卒中・神経脊椎センター副病院長。専門分野での研究結果を国内外に発表し続けている。
中枢性めまいと抹消性めまいの違い
中枢性めまいの場合、問題は脳にあるので症状はめまい以外にも起こります。
- 眼球運動障害
- 構音障害
- 運動障害
- 感覚障害
それに対し抹消性めまいの場合、問題は耳にあるので症状はめまい、あるいはめまいと聴力低下です。
- あっても聴力低下のみ
●ほとんどは抹消性めまい
著者である城倉健先生の病院で2年間にめまいのみを訴えて来院した患者さんの内訳を見てみると、脳に問題のある中枢性めまいは1.7%しかいませんでした。
つまり、めまいのみの場合はほとんどが抹消性めまいということになります。

中枢性めまいのテスト
リラクゼーションサロンや治療院に中枢性めまいの人はまず来ないでしょう。
しかし念の為、簡単なチェックの仕方は覚えておいてもいいかもしれません。
- 指の追視
- パタカ検査
- バレーテスト
- 反復拮抗運動
- 指鼻テスト
これらのテストを、僕らのようなセラピストが実施する機会って滅多にないと思います。
僕は以前、頭痛・腕のしびれ・めまいを訴えて来院された方に念の為、バレーテストと指鼻テストをやってみましたが何もありませんでした。

『めまい診療シンプルアプローチ』を読んでみて
症状の1つでめまいにチェックをつける人が多いため読んでみたのですが、命に関わる中枢性めまいの特徴が知れて安心しました。
まず来ない。
また、僕らのようなセラピストができるものとして
- フレンツェル眼鏡がないときの眼振の見方
- 耳石を出すブランドダロフ法
この辺りは機会があれば試してみようと思います。
おわりに
中枢性めまいはまず来ないとして、セラピストとしては聴力低下をともなっているかは聞いたほうがいいでしょう。
メニエール病や突発性難聴の可能性もあるので、その場合は早期に耳鼻科を受診する必要があります。
僕も以前、低音型感音性難聴を経験しましたが、めまいがなかなかキツかったのを覚えています。

自分が対処できるめまいなのか耳鼻科の受診を勧めるのか、危険なめまいなのかを鑑別できるよう知識はつけておきましょう。
- セラピストのみなさん