
知り合いにでもいない限り、医者の存在って謎です。
自分の話を聞いて体も診てもらっているのに、パーソナリティーが見えてこない。
それにやっぱり変なこと言っちゃいけない気もする。
そんなこんな悩んでいると伝えなきゃいけない症状も伝え忘れてしまって、モヤモヤした状態で診察が終わってしまいます。
「医者は診察のときに何を考えているんだろう?」
「どこまで自分のことを伝えていいのだろう?」
その疑問は今回ご紹介する本を読めば解決するかもしれません。
- 病院のかかり方
- 医者は何を考えながら診察や手術をしているのか
- なんで病院は待たされるのか
- 医者は稼げる職業なのか
などなど
この記事では本書を読んでわかった上手な病院のかかり方について紹介したいと思います。

中山祐次郎
消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医(大腸)、外科専門医、感染管理医師、マンモグラフィー読影認定医、がん治療認定医、医師臨床研修指導医。モットーは「いつ死んでも後悔するように生きる」。
目次
病院に行くべきか迷ったら
「自分の症状は病院に行く必要があるのだろうか?」
「この症状は何科なんだ?」
意外にも、なかなか激しい症状があるのに救急車を呼ばないどころか、病院へも行かない人がいます。
我慢強いというか何というか、「えっ、そんな状態なのに病院に行ってないの?」なんて驚くこともしばしば。
でも確かに、微妙な症状なら病院に行くべきか迷うし、そもそも何科を受診したらいいかわからない場合もあります。
そこでオススメなのがQ助というアプリ。
いくつか当てはまる症状に答えていくと病院にすぐ行くべきかどうか、何科を受診すべきか教えてくれる超便利アプリ。
自分だけでなく、誰かの具合が悪くなったときにも使えるアプリです。
是非ダウンロードしておいてください。
受診は平日の昼がオススメな3つの理由
緊急でない限り、受診するのは平日の昼間がオススメです。
●医者も眠たい
まさかそこまでとは、と思うような働き方を医者はしているようです。
夜中に診察する医者は、すでに前日の朝から通常通り病院で仕事をし、そのままぶっ続けで夜中も働いているのです。つまり、前日朝8時から連続19時間勤務中。
これはつらい、つらすぎる。

働き方改革は医者の世界ではまだまだ課題がありそうです。
●夜間は値段が高い
夜など時間外に診察を受けたことがある人はご存知かもしれませんが、診療時間外の場合は値段が高くなります。
また、診察代だけでなく薬も高くなるので、Q助アプリの活用などして緊急性がなさそうな場合は診療時間内に受診するようにしましょう。
●夜はわからないことが多い
病院にはたくさんの専門家が働いています。
循環器の専門家、筋肉や骨の専門家、画像を撮る専門家、さまざまな専門家がチームとなって日々患者さんの病気に立ち向かっています。
ただし、夜は違います。
当直の専門家以外は夜はいません。
そのため夜間だと、できる検査が限られていたり簡易的にしか処置できなかったり、制限があります。

口コミはあんまり当てにならない
態度が悪いだの親切だの対応面での口コミは別として、病院の口コミだけでは治療のレベルはわかりません。
病気について、専門知識をもっている患者さんは多くありませんから、「あそこの病院の治療は、今の医療水準から考えてもなかなか良かった」と判断することは難しいのです。
その分野の医療水準がどうかなんて、普通はわかりません。
「〇〇病院に行きましたが、何もしてくれませんでした」なんて口コミがあったとしても、それは医者が様子見もしくは処置の必要がないと判断した結果かもしれません。
病院に限らず口コミは操作できてしまう部分もあるため、それだけを信じて行動するのはいかがなものかと思います。

聞きたいことはメモしていこう
ぼくは患者さん(高齢者)を病院へ連れて行くことがあるのですが、症状がたくさんある場合「あ、これ言うの忘れた・・」ということが多々あります。
その「これ言うの忘れた」の部分が実は大事だったなんてこともあるので、病院へ行く前にメモしておくことをオススメします。
- どこにどんな症状があるか
- いつからか
- どんなときにつらいか
- つらくなったときから症状に変化はあるか
- その他、聞きたいこと
このようなメモと病院で書く問診票があれば、かなり「これ言うの忘れた」を防げます。

補完代替医療は伝えよう
本書ではがんの項目にて「補完代替医療は医者に伝えてください」と書かれていますが、がんに限らずその症状に対して補完代替医療を行なっている場合は医者に伝えましょう。
これは補完代替医療がダメだということではなく、通常の医療に影響があるのか、詐欺のようなものをつかまされていないかということを確認するためです。
ビビらず伝えましょう。
『医者の本音』を読んでみて
どおりで10万部以上売れている本なわけです。
医者が日々どんなことを思いながら働いているのかだけではなく、この記事で紹介したような医療を受ける側が使える知識や病院の経営実態、製薬会社との繋がりまで書かれています。

ぼくは鍼灸マッサージという職業柄、高齢者に接する機会や患者さんからの「病院は何もしてくれない」なんて言葉をよく聞きます。
「そんなわけなかろうが」なんて内心思いながらサラッと流していましたが、本書を読んで「いや、それはこういう意図があったんじゃなかろうか」と想像しながら伝えられるようになりました。
お薬大量高齢者のカラクリもわかったし、医者の内情が覗けるだけではなく非常に実用的な本だと感じました。
おわりに
この記事で紹介した内容の他にも
- お薬を減らしたいときどうすればいいか
- 紹介状が欲しいときどうするのか
- がんの告知をされたときどうするのか
などなど、役に立つ情報がたくさん。
専門用語オンパレードのような難しい本ではないので、一般の方でも数時間あれば読めるように書かれています。
まだ読まれていない方は是非、お手にとってみてください。
- 病院や医者に不満がある人
- 病院や医者に恐怖心がある人
- とにかく病院や医者にマイナスイメージがある人