バイオメカニクスが教えてくれる体の上手な使い方

「もっと楽に体を動かせたら・・」

「もっと速く走れたら・・」

日常生活においてもスポーツの場面においても、自分の思う通りに体を動かせたら最高ですよね。

そんなお悩み、もしかするとバイオメカニクスが解決してくれるかもしれません。

お灸さん
バイオメカニクスってなんですか?
リキヤ
力学の観点から体の動きや姿勢について研究する学問のことです。

とはいったものの、僕も理解できていないバイオメカニクス。

そこで何かわかりやすい本はないものかと探した結果、今回ご紹介する本に出会いました。

この本でわかること
  • バイオメカニクスの基礎
  • 力学的計算の基礎
    お灸さん
    なんだか難しそうですね。
    リキヤ
    イメージしやすいように、イラストでの解説が豊富なので大丈夫です。

    なぜ片足で立つとぐらぐらするのか

    お灸さん
    地面と接地している面積が小さいからですか?
    リキヤ
    はい、その通りです。

    いきなり正解が出ましたが、バイオメカニクスでは地面と接地している範囲のことを支持基底面といいます。

    支持基底面は、範囲が広いほど安定性が増します。

    では、なぜ支持基底面が狭いと安定しないのでしょうか?

    それは、体には重心というものがあるからです。

    その重心を通した垂直な線を重心線というのですが、重心線が支持基底面の範囲を外れると不安定な状態になります。

    片足立ちだとぐらぐらするのは、支持基底面から重心線が外れやすいからだったんですね。

    補足重心の位置は足底から身長の55〜56%の高さの中心にあるそうです。ヘソの下あたり、ちょうど丹田と呼ばれるところですね。
    リキヤ
    片足で立つときは頭の位置を意識するとぐらぐらしにくいですよ。

    より速く走るためにはどうするか

    ちょっとその前に、用語を補足しておきます。

    • ベクトル・・力の大きさと向きの量(速度など)
    • 床反力ベクトル・・床から受ける力の大きさと向きの量

    速く走るためには、この2つがキーワードとなります。

    その昔、僕は足が遅かったので「腕を速く振れ」とか「ももを高く上げろ」とか言われていました。

    結果、まったく速くなりませんでした。

    これはなぜかというと腕の振りも、ももの高さも足の速さとの直接的な関係はなかったからです。

    足の速さを決めるのは地面を蹴るパワーとその方向。

    そう、床反力ベクトルというやつです。

    図の左側の人のように、ももを高く上げてしまうとベクトルの向きが上を向いてしまうため、かえって足を遅くしてしまう原因になっていました。

    リキヤ
    コーチ、話が違うじゃないか。

    バイオメカニクスは正しく運動の指導をするために必要不可欠な知識だったんですね。

    荷物の持ち上げ方

    よく「荷物を持ち上げるときはしっかり膝を曲げてから持ち上げましょう」なんていいますよね。

    これはレバーアームが短い方が関節モーメントが小さくなり、腰への負担が軽くなるからです。

    お灸さん
    また専門用語が出てきましたね。

    レバーアームは支点から力が働く部分までの距離のこと。

    関節モーメントは筋力による物を回転させる作用のことで、筋肉や靭帯などによる物に対して抵抗する力のようなものです。

    つまり、膝を曲げて荷物を持つことで体と荷物の距離が短くなり安定して腰に力が入るため、腰に負担をかけにくいということです。

    リキヤ
    図にしてみるとわかりやすいですね。

    このように、体を上手に使うためにもバイオメカニクスは重要です。

    スクワットなんかでも「膝を前に出すな」と注意されますが、これは膝を前に出すことでレバーアームが長くなってしまい膝に負担をかけてしまうからです。

    このような人の場合、治療の現場だと「その人の動作の癖かな?」「それともお尻の筋肉が弱いのかな?」なんてことを考えます。

    『姿勢と運動の力学がやさしくわかる本』を読んでみて

    今までは、例えば膝が前に出てしまう動作があったときに「膝に負担をかけてしまう」ということだけはわかっていました。

    この動作の場合は大腿四頭筋に過度な負荷がかかり、結果的に大腿四頭筋が付いている膝に負担をかけるというもの。

    しかしそれがバイオメカニクス的になぜなのか、ということは理論的に説明ができませんでした。

    リキヤ
    レバーアームを短くするような動作に修正すればいいんだ!

    バイオメカニクスは、自分がやっている施術に根拠を持たせるためにも必須の学問なんですね。

    鍼灸師も学校でもっとバイオメカニクスの授業があればな、なんて少しだけ思ってしまいました。

    少しだけ。

    おわりに

    途中で計算式なんかが出てきて挫折しそうになりましたが、なんとか読めました。

    ほぼ全ページの右半分はイラストで説明されているし、専門用語も出てきますが順を追って説明されているので、読み進めていけば理解できるように文章も工夫されています。

    「やさしくわかる本」とうたっている通り、バイオメカニクスを理解してもらうための優しさが感じられました。

    リキヤ
    次は参考文献で紹介されていたバイオメカニクスの本を読んでみようかな。
    こんな人にオススメ
    • バイオメカニクス本で挫折したセラピスト
    • 物理が苦手な人
    • 介護に携わっている人