
健康情報に限らず世の中にはたくさんの情報で溢れています。
その中から「正しくて自分に必要な情報」を選択するのはなかなか難しいもの。

そして、さらに選択を難しくしている原因が「認知バイアス」というもの。
「認知バイアス」とは、偏見や先入観、固執断定や歪んだデータ、一方的な思い込みや誤解などを幅広く指す言葉。
情報を選ぶ側も過去の経験からバイアスがかかって物事を見ているし、情報を提供する側も当然ながらバイアスをかけて信じさせようとしてきます。
そんな認知バイアスを回避し自分の頭で冷静に考えられるようになるためにも、認知バイアスにはどのようなものがあるのかを知っておきましょう。
今回は今までの物事の見方を変え、自分の頭で考えられるようになる1冊をご紹介します。
- 倫理学・認知科学・社会心理学における認知バイアス
- デマに流される理由
- うっかり購入してしまう理由

この記事では、健康情報を調べる上で知っておいた方がいい認知バイアスを4つ紹介します。
情報文化研究所
「情報文化論および関連諸領域に関する研究の推進と交流」を目的として1996年に発足した情報文化研究会を基盤に2018年に設立。新進気鋭の研究者や多彩な分野で活躍している社会人も幅広く所属し、活発な議論や提言を行なっている。
知っておきたい4つの認知バイアス
『認知バイアス事典』では60もの認知バイアスが紹介されていますが、その中から健康情報を調べる上で大切な4つの認知バイアスをご紹介します。
1チェリーピッキング
人は見たいものしか見ない、そして見せたいものしか見せない傾向がある。
サプリメントのCMなんかを見ると良い情報はドドーンと大きく表示されて、注意点については画面の端っこに小さく表示されていたりしますよね。
このように、自分に都合の良い情報だけを提示して不都合な情報は隠すことをチェリーピッキングといいます。

親切な情報はデメリットもしっかりと提示していますが、デメリットとなる情報をメリットと同じように提示している広告なんて見たことがありません。

そこで注意すべきなのは情報を受け取る側。
チェリーピッキングを回避するポイントとしては、デメリットもちゃんと調べることです。
すぐに情報を鵜呑みにせず、吟味してから取り入れるかどうか検討しましょう。
2ハロー効果
第一印象が良い人は「仕事ができそう」とか「優しそう」とか良いことを思いがちです。
プロフィール写真なんかを見ると皆、良い印象がもたれるように笑顔で写っていますよね。
しかし、実はこれも認知バイアスなんです。
とはいえ、ムスッとした顔でプロフィール写真なんか撮らないですよね。
ハロー効果を利用するのは当たり前のこと。
ということでやはりここも、フラットに考える必要があります。
どんな人が、どんな企業が、ということよりも自分が必要とするその情報の中身を見ましょう。


3バンドワゴン効果
選択肢が複数ある場合、多くの人が同一の選択肢をとることによって、その選択肢をとろうとする人がさらに増える現象のこと。
流行ものの商品はなぜ流行るのでしょうか?
それは「みんなが買っているからいいものだ」といった具合に、多数に価値を見出す人が多いからです。
このように、多くの人が良いと思ったものがさらに多くの人を呼ぶことをバンドワゴン効果といいます。
バンドワゴン効果はマーケティングでよく使われます。
1秒に〇〇個売れているとか、即完売とか書かれたアレです。
また、席数をわざと減らして行列を作らせ、繁盛店だと思わせるテクニックもあるようです。

ここでもやはり大切なのは、中身が自分に必要かどうか吟味することです。
ちなみにバンドワゴン効果の逆で「みんなと違うものがいい」というスノッブ効果なんてものもあります。
僕はどちらかというとスノッブ効果にやられるタイプです。
4確証バイアス
確証バイアスとは、自分の考えが正しいことを確認するためにそれに合った情報ばかりを集め、逆に考えに反する情報を無視してしまう傾向のことをいいます。
コロナウイルスのワクチン陰謀説なんかが分かりやすい例かもしれません。
一度その説にのめり込んでしまうと陰謀説ばかりの情報が目についてしまい、あたかも絶対にそれが正しいと思い込んでしまいます。

「トイレットペーパーがなくなる」なんてデマも、多くの人が確証バイアスの影響を受けた結果かと思います。
結果、実際に無くなりましたが・・
確証バイアスを回避するためにも、さまざまな考えを参考にしましょう。
『認知バイアス事典』を読んでみて
確かに認知バイアスを知ることでデマに騙されなくなったり、自分で考えることの大切さに気づくかと思います。
ただ、「あー、これは〇〇のバイアスを利用している、信用できないぞ」となってしまわないよう注意しなければいけません。

チェリーピッキングを利用しているから信用できないとか、ハロー効果を利用しているから信用できないとか、そういうわけではありませんよね。

どちらかに偏って物事を見たり、すぐに情報を鵜呑みにしないよう自分で考えることが大切なんだと改めて感じました。
おわりに
世の中バイアスだらけです。
SNSを覗くと見せ方が上手い人たちがたくさんいて、すごいですよね。
その中から「正しくて自分に必要な情報」を選択しなければいけないなんて、なんて難しい世の中なんでしょう。
と、悲観的になってしまいそうですが『認知バイアス事典』で認知バイアスについて知っておくと、どの部分が「正しくて自分に必要な情報」なのかが見えるようになってきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
- コロナでトイレットペーパーや納豆をたくさん買ってしまった人
- どの情報を信じていいのか、わからなくなっている人
- 自分の頭で考えるヒントが欲しい人